残業時間の端数処理に伴うトラブル

残業時間の端数処理に伴うトラブル入社して1年経過した社員から割増賃金の計算について、異議を申し立てられました。
内容は、会社は、午前8時30分開始、午後5時30分終了。
お昼に1時間休憩をとっている為、実働は1日8時間となります。
午後5時30分以降、残業は全くない日もあれば、10分、20分、忙しい日には1時間ないしそれ以上の残業時間が発生することもあります。
会社では、従来から午後6時以降の場合のみ割増賃金の計算をして支給していました。しかし、5時59分で終了した場合は、29分残業しているにも関わらず、支給しないと昔からの慣習で計算をしています。
因みに6時ジャストで終了する場合は、30分の割増賃金の支給はあります。

今回、たまたま1時間以内の残業時間が多く発生しており、当該社員のタイムカードは、以下の通りになっていました。
残業なし 3日 29分までの残業 7日(時間数換算 3時間)30分以上の残業 11日(時間数換算 8時間)
この社員の給与は、月額20万円で当社の月平均労働時間は、月間160時間です。
時間給換算にすると1,250円となります。
会社にて計算した給与金額は、20万円+{(1,250×1.25)×8}=212,500円

会社は、小規模である為、基本の仕事はあるものの、忙しい時には、他の仕事もこなしてもらうこともある為、30分未満の残業はよく発生します。そのため、会社では、従来から暇なときには、30分の休憩を自由にとるようにしていました。ですから、会社としては、その取決めがある為、30分未満の割増賃金は必要ないと判断しています。

ポイント:まず就業実態がどのようになっているかを確認する必要があります。
・勤務状況がわかるもの(タイムカード、出勤簿等)によって、終了時間がわかります。
・休憩時間(こちらもタイムカード、出勤簿等)によって確認できる場合とそうでない場合があります。
 → 以外と休憩時間を印字していることが少ない等
不明な場合は、1人だけでなく、全体的に休憩がとれているかを確認します。
因みに今回は、昼の休憩は全員1時間とれていますが、残りの30分は、形式的だけで実際には、とれていませんでした。
※就業規則でも昼休憩の1時間については明記されていましたが、残りの30分には記載がありませんでした。

上記から想定するとやはり30分未満の残業は、発生しているものの、支給対象にはなっていないことがわります。この場合、この切り捨て行為が賃金全額払いの原則に違反し、未払いと判断され、是正指導等の対象となります。

※上記のような1日ごとの切り捨てではなく、1月における時間外労働、休日労働、深夜労働の各々の時間の合計に1時間未満の端数がある場合は、30分未満の端数を切り捨て30分以上は1時間に切り上げることは、問題ありません。

慣習は、良い意味のものもあれば、違法である慣習もある為、慣習を見直し、30分間の休憩を就業規則等で明示し、時間管理して休憩を取らせることをお勧めいたします。
どうしても休憩が取れない場合は、やむを得ないですが、割増賃金が発生いたします。

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